天かす(あげ玉)とは

1.天かす(あげ玉について)

天かすは、天ぷらを揚げるとき、衣が散って玉状に揚がった物です。天ぷら屋さんの副産物だった天かすですが、粉もん文化の浸透につれ、需要が増えて天かす(あげ玉)は商品として作られる様になりました。
近年、スーパー(量販店)などで天かす(あげ玉)が販売されておりますが、30年程前にはスーパー(量販店)で天かすは、商品として販売されておりませんでした。
天ぷら屋さんに頼んで天かすをわけてもらってた日が今では懐かしい思い出だと母がよく話をしてくれます。
天ぷらは、日本を代表する料理であり、日本の食文化ではないかと考えております。
そして粉もん文化も、近年、日本を代表する食文化の仲間入りを果たしたといっていいでしょう。

日本古来の食文化と近代の食文化をつないでいるのが「天かす(あげ玉)」です。
決して表に現れない脇役的な食材ですが、日本の食文化発展の重要な役割を果たしております。特に粉もん文化の中で、「お好み焼」「たこ焼」にはかかせない重要な役割を果たす食材ではないでしょうか。コクと旨みをUPする縁の下の力持ち的存在です。
当社では、日本の食文化の発展の一助となるべく、日本の食用油の起源でもある菜種油(現代ではキャノーラ油)を100%使用し、こだわりの「天かす(あげ玉)」を製造・販売しております。菜種油は日本の家庭用油でもっとも使用量が多く、日本植物油協会によると日本で供給される油の4割が菜種油です。

2.天かすとあげ玉の違い

天かす?

2003年度にNHK放送文化研究所が行った調査では天かすと呼ぶ人が68%、あげ玉が29%、揚げかすが16%という分布でした。
東海地方を含む西日本では「天かす」と呼ぶ人が全国平均より多く、関東甲信越と北海道では「あげ玉」という人が平均より多いという結果が出ています。
これを裏付けるように、関西地方出身者は「あげ玉」という呼称を用いずに「天かす」と呼び、東京を中心とする関東地方出身者が「天かす」という呼称を用いることはほとんどないようです(かすという言葉は「屑」と同義語で「愚劣」を意味したり、あるいは下品であったりするためと思われる)。
いずれにせよ、全国的には「あげ玉」も「天かす」も同じ物品をさしますが、一説によると、食材として用いるため意図的に作ったものを「あげ玉」とし、副産物として偶発的に作られたものを「天かす」と区別する場合もあるようです。
~フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より~

一般的には、関が原より東では『あげ玉』、関が原より西では『天かす』、さらに九州では『天かす』より『あげ玉』と呼ばれている事が多いです。 名古屋では『あげ玉』四国では『天かす』と呼ばれる事が多いです。
日清食品のカップうどん・そば「どん兵衛」そのスープも東西で違うことは有名ですよね。東はカツオだしを主体に濃い口しょうゆで味付け、見た目も濃い印象を受けます。西は昆布だし多目に、薄口しょうゆが使用されています。日清食品の開発チームが新幹線こだま号に乗り、一駅ごとに駅構内や駅近くのうどんを試食され、どこで味が変わるか調査したところ結果的に天下分け目の関が原が味でも分れ目だったそうです。一概には結論づけられませんが、『天かす』『あげ玉』の分け目も関が原ではないかと思われます。これらによく似た話「あほ」「ばか」境界線も関が原との説もあるそうです。
関西地区では『あげ玉』に対する言葉の抵抗感はほとんどないのですが、関東地区では『天かす』に対する言葉の抵抗感は非常に高いようです。
北海道・東北・関東圏・九州では、天かす(あげ玉)が入っているうどん・そばを「たぬきうどん」「たぬきそば」と呼びますが、関西では天かすが入っているうどんを「ハイカラうどん」と呼びます。京都ではあんかけのうどん・そばを「たぬきうどん・そば」と呼ばれています。地域によって呼び方もいろいろありますよね。

あげ玉?

3.天かす(あげ玉)を使った調理例

お酒のあてに、天かす(あげ玉)で一品いかがですか?
ちょっとしたお酒のあてがない時、天かす(あげ玉)に、刻んだねぎを和えて適量の醤油をかければ出来上がり。きざんだ紅しょうを和えたものも良く合います。お酒が進む一品です。
サクサクの天かす(あげ玉)、納豆とわさびマヨネーズを混ぜてお豆腐の上にのせれば、お酒にピッタリのおつまみに。おひたしや酢のものやサラダなど、少し味に変化を持たせるには、天かす(あげ玉)が効果的です。そのままふりかけるだけでボリュームも出て、油のコクとうまみで味に深みがでます。
いつものお味噌汁に天かす(あげ玉)をプラスするだけで、とってもコクがでておいしくなります。
パン粉の代わりに天かす(あげ玉)を衣にしたサクサクのフライもおすすめです。鶏もも肉に天かすをつけて揚げた唐揚げはサクサクでヤミツキになります。
天かす(あげ玉)とお好みソース、マヨネーズ、チーズをトーストにのせて焼くと天かすのサクサクの食感とお好みソースの香りが引き立つ一品に。
サラダのトッピングとして天かす(あげ玉)を食べる直前にふりかければサクサクの食感とコクと旨みが引き立ちます。

「お好み焼」「たこ焼」「うどん」に欠かせないのが天かす(あげ玉)です。
もともとは天ぷらを揚げた際の副産物ですが、料理の中心温度を上げて、お好み焼きの外を焦がさず中までムラなく焼き上げたり、たこ焼の「外はカリカリ中はトロトロ」という食感を出すのに役立っています。天かすに含まれる油が溶け出し味にコクを与えるので、色々な料理に使われる事が多くなってきました。
その代表として「たぬきむすび(天かすむすび)」です。ごはんに天かす(あげ玉)を入れ、だし醤油と刻んだねぎでむすぶと出来上がり。天かす(あげ玉)を入れる事により、味にコクが出ます。ごはんと天かす(あげ玉)の相性が良い事がわかる一品です。

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